多くの屋根は勾配をつけることで屋根に降った雨水の排水をスムーズに行えるようにしています。
ただ、陸屋根の場合は屋根に勾配をつけてないため、排水口などを設置して屋根に雨水を排水していますが、勾配がある屋根に比べて雨水が溜まりやすい傾向があります。
そのため、陸屋根の中にはシート防水という防水工事が施されています。
シート防水の防水層は、塩化ビニル製やゴム製の防水シートを下地に敷くことで形成されています。
シート防水で使われるシートは、塩ビシートであれば1.5~2.5mm程度、ゴムシートであれば1.2~2.0mm程度の厚みがあります。
安価で耐候性と伸縮性が優れたゴムシートを使ったシート防水は工期も短いので、昔はよく行われていました。
ただ、ゴムシートは塩ビシートに比べ薄いため、飛来物が当たったり、鳥がいたずらをしたりして破れる上、耐候性で劣るデメリットがあるため、現在では塩ビシートがよく使われるようになりました。
塩ビシートに使われている塩化ビニルに可塑剤を添加することで柔軟性などを向上させています。
ただ、経年劣化によって可塑剤が気化することで、塩化ビニルの柔軟性が失われて、ひびや割れを発生しやすくなります。
シート防水で使われるゴムシートの耐用年数は12年程度、塩ビシートの耐用年数は20年程度となっているので、陸屋根のメンテナンスとしてシート防水を再度行わなくてはならない時期がやってきます。
シート防水の傷みは、一般の方には発見できないケースもございますので、専門業者に点検を依頼することをおすすめします。